HOME> β-クリプトキサンチンとは?>膝の痛み
年をとるごとに強く感じる膝の痛み。日本国内で実施された大規模な疫学調査から膝の痛みを自覚する日本人は1800万人(男性710万人、女性1090万人)にのぼると推測されています。膝の痛みを自覚する人の割合は年齢が高くなるほど増加しており、高齢者にとって大きな悩みの一つとなっています。
(出典:J. Bone Miner. Metab. , 2014, 32, 524-532)
膝の痛みは、食事や着替え、あるいは入浴など身の回りに関する動作の妨げとなるだけでなく、家事や買い物、お稽古事で出かけるといった活動にも影響します。外出が思うようにできなくなると、友人との交流といった社会的な活動も制限されるようになります。社会的な活動は日々の生活の満足感と結びついており、活動が制限されると生活の質の低下にもつながります。
膝の痛みへの対策には、適度な運動や過度な体重を減らすことが効果的とされています。また、膝の健康に役立つ食品に関する研究が盛んに行われており、β-クリプトキサンチンも膝の健康維持に役立つことが分かってきました!
(出典:Am. J. Clin. Nutr. , 2005, 82, 451-455)
膝の痛みの原因の一つとされる炎症。海外で行われた栄養疫学研究では、β-クリプトキサンチンの摂取量が多いと関節リウマチや炎症性多発性関節炎といった関節炎が発症するリスクが低くなることが報告されています。また、血液中のβ-クリプトキサンチン濃度が高い人では、変形関節症になるリスクが低いといった研究報告もあります。
栄養疫学研究の結果は、β-クリプトキサンチンの摂取が膝関節の健康維持に役立つことを示唆しています。当社でも、β-クリプトキサンチンの研究に取り組んでおり、その秘められた健康パワーが明らかになりつつあります。どんなことが分かってきたのか、研究成果の一端をご紹介します。
膝の痛みを自覚している人を対象に、β-クリプトキサンチンを含むパプリカ色素の摂取が膝関節に関連する生活の質に与える影響を評価しました。
膝の痛みを自覚している45歳から69歳までの男女
パプリカ色素(β-クリプトキサンチンとして0.3mg)を含むカプセルとプラセボカプセル※1
※1 β-クリプトキサンチン含有パプリカ色素の入っていない試験食のこと。被験者がどちらを摂取しているか区別がつかないように、そっくりな見た目になるように作られています。
試験食の摂取期間を12週間とした、二重盲検法※2を採用した群間比較試験を実施しました。
被験者はランダムに2つのグループに分けられ、いずれかの試験食を1日1粒、12週間毎日摂取しました。膝の痛みが生活の質に及ぼす影響をJKOM(日本版膝関節症機能評価尺度)※3を用いて評価しました。また、炎症の程度を評価するため、血中のインターロイキン-6(IL-6)※4濃度を測定しました。
※2 被験者、観察者(医師等)ともに、どちらの試験食を摂取しているのかを知られないようにして行う試験。思い込みによる効果を除去し、客観的な判定を期するために行われます。
※3 日本人の生活様式に適した自記式の膝関節機能評価尺度。膝関節機能に関連した生活の質を評価するために開発された質問票であり、痛みに関する項目に加え、日常生活の動作や外出などふだんの活動に関する質問で構成されています。
※4 インターロイキンは、リンパ球や単球が生産・放出する、多様な生物活性を示す物質。IL-6は炎症・免疫疾患の発症メカニズムに関与すると考えられています。
β-クリプトキサンチンを含むパプリカ色素の摂取により、外出の状況などに関する「ふだんの活動」スコアが改善しました。また、炎症の指標となる血中のIL-6濃度が低下しました。
(出典:薬理と治療,2017,45,223-233)
β‐クリプトキサンチンを摂取したことにより膝の炎症が緩和され、痛みで外出を控えることが減ったと考えられます。β‐クリプトキサンチンの摂取が膝の健康を保ち、生活の質の維持・向上に役立つ可能性が示されました。