HOME> β-クリプトキサンチンとは?>骨粗しょう症
骨粗しょう症は、骨の量が減り、スカスカになることで強度が低下し、骨折しやすくなる病気です。
高齢になると骨をつくる能力が衰えるため、骨折した骨が治るのには時間がかかります。回復するまで介護が必要となるケースも多く、骨折は本人だけでなく周囲の人の負担にもなります。場合によっては、骨折を機に、そのまま寝たきりの生活となってしまうことも。厚生労働省が実施している国民生活基礎調査(平成22年)では、介護が必要となった主な原因の約10%が骨折・転倒によるものです。
(出典:厚生労働省 平成22年国民生活基礎調査)
骨粗しょう症は、自覚症状があらわれにくく、痛みがないまま、静かに進行します。自分では気づかないうちに骨がもろくなり、年齢を重ねるごとに骨折する危険性が高まっていきます。自覚しにくいため、予防が不十分になりがちなことが問題となっています。高齢者の多くが骨粗しょう症になっており、国内の患者数は約1300万人と推定されています。男性よりも女性のほうが骨粗しょう症になりやすく、50歳以上の女性の4人に1人が骨粗しょう症となります。
(出典:「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年度版」より一部改変)
骨量は、20歳前後で最大となり、40歳半ばまでは、一定の骨量が維持されます。しかし、50歳を過ぎると徐々に減少します。特に、閉経を迎えた女性では、急激な女性ホルモンの枯渇に伴い、骨量が著しく減少していきます。男性より女性が骨粗しょう症になりやすいのは、このためです。
骨粗しょう症を予防するためには、将来の骨量減少に備えて、普段から丈夫な骨づくりをこころがけることが大切になります。骨を丈夫に保つためには、バランスの良い食事や適度な運動が役立ちます。
適度な運動は、骨を刺激して強くします。また、丈夫な骨をつくるためには、カルシウムやビタミンDといった栄養成分の摂取も欠かせません。近年の研究から、みかんやトウガラシに含まれる「β-クリプトキサンチン」も骨の健康維持に役立つことが分ってきました。
(出典:PLOS ONE, 2012, 7, e52643)
みかんの産地である静岡県浜松市北区三ヶ日町の住民を対象とした栄養疫学研究が行われています。この研究において、血液中のβ-クリプトキサンチン濃度が高い閉経後の女性は、骨粗しょう症を発症する危険性が低いことが明らかとなりました。血中β-クリプトキサンチン濃度が低い人に比べて、高い人では、骨粗しょう症を発症するリスクが92%も低くなる結果が示されています。
疫学研究の結果は、β-クリプトキサンチンの摂取が健康な骨の維持・形成に大きく貢献することを示唆しています。β-クリプトキサンチンの摂取は、骨粗しょう症の予防につながることが期待できます。