中長期ビジョン/中期経営計画2027

中長期ビジョン

持続可能な社会をスペシャリティな製品とサービスで支え、成長する会社になる

当社は会社設立以来、「天然物の有効利用」を事業展開の根幹に据え、経営理念「社会に対し、食を通じて健康と豊かな食生活を提供する」のもと、社会に貢献してきました。これらの理念と事業環境の変化を踏まえ、2022年に中長期ビジョンを定めました。

前中期経営計画(2022-2024年度)の振り返り

中長期ビジョンのもと、前中計では4つの基本方針①経営基盤(ガバナンス)の強化、②アジア・北米での展開を加速、③国内の深掘りと新領域への挑戦、④サステナブル経営の推進に取り組んだ結果、業績目標を全て達成することができました。
一方で2020年の海外子会社の会計問題で大きく下落した株価は問題前の水準まで回復して以降頭打ちとなり、PBRは一倍割れの状況を脱することができませんでした。

業績目標の達成状況

  • 掲げた業績目標を全て達成
  • 当期純利益は政策保有株式の売却も影響し、大幅な超過
(億円・%)
2021年度
実績
2024年度
実績
2024年度
当初計画
売上高 792 955 940
営業利益 58 87 80
営業利益率 7.4% 9.1% 8.5%
経常利益 61 94 82
親会社株主に帰属する当期純利益 215 93 65
ROE 38.3% 12.1% 8.0%以上
政策保有株式純資産比率 28.7% 19.0% 20%未満
※子会社の連結除外に伴う異常値

中期経営計画2027

中長期ビジョンのゴール年度を変更し、10年後の2034年度に営業利益135億円、海外売上高比率35%、ROE10~12%という定量目標を定めました。この目標達成に向け、「中期経営計画2027」では前中計の2.5倍となる250億円の設備投資を行います。国内では老朽化や人手不足に対応し生産性向上と省人化のための投資に注力します。また、海外ではスペシャリティ製品の生産拡大に向けた投資に加え、生産・販売・開発・管理部門が国内外の垣根を取り払い、海外 事業成長に向けた新体制構築に取り組みます。
あわせて、バランスシートや株価を意識する経営にシフトし、株式市場との対話を進めることで、中長期的な企業価値向上を目指します。

中期経営計画2027の位置づけ

中長期ビジョンとマテリアリティ

中長期ビジョンと8つのマテリアリティの紐づけを現した図:持続可能な社会=「気候変動への対応」「サーキュラーエコノミー(循環経済)への移行」、スペシャリティな製品とサービス=「研究開発による価値の創出」「安全で安心な製品の提供」「レジリエントなサプライチェーンの構築」「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」「安全で健康的な職場環境の整備」、成長する会社=「健康と豊かな食生活への貢献」

中期経営計画2027の位置づけ

  • 中長期のゴールを2030年度から2034年度に変更し、定量目標を設定
  • 人口動態の変化を見越して事業体制を再構築し、持続的な成長を目指す

経営目標・財務戦略

資本コストや株価を意識した経営 現状分析

  • 営業利益の増加と政策保有株式売却等によりROEとEPSは向上
  • 株価は伸びておらずPBRは1倍割れ、PERは低水準が続く
  • ROE(%)
  • EPS(円)

  • PBR(倍)
  • PER(倍)
  • 年度末実績をベースに算出
  • 破線で囲っている範囲は子会社会計問題の影響で赤字もしくは異常値のため省略

企業価値向上の考え方

  • 当社の課題はPER
  • EPS成長・ROEの維持とIR活動により、期待成長率を上げていく

数値目標

(億円・%)
経営目標 2024年度
実績
2027年度
目標
成長性 売上高 955 1,100
収益性 営業利益
 営業利益率
87
9.1%
100
9.1%
EBITDA(営業利益+減価償却費) 119 142
効率性 ROE 12.1% 10%以上
株主還元 配当性向 30.3% 40%以上
財務規律 自己資本比率 70.1% 60~65%
ガバナンス 政策保有株式純資産比率 19.0% 10%未満

キャッシュアロケーション

  • 営業CFと政策保有株式縮減で得た資金で積極的な投資と株主還元の拡充を実行
  • インオーガニックな戦略投資は必要に応じて負債を活用

設備投資の内訳

  • 国内の基盤投資、海外の成長投資により最適生産体制構築を図る
  • 改良剤分野に重点的に資金を配分

株主還元

  • 連結配当性向の目安を引き上げ
  • 自己株式の取得を機動的に実施
    • ■ 配当方針

      連結配当性向 40%以上
    • ■ 自己株式の取得

      適切な局面で機動的に実施
      2025年度は20億円の取得枠を設定
  • ■ 1株当たり配当金(円)と配当性向の推移

事業戦略

事業環境認識

  • 大きな認識は前中計と変わらない
  • 環境課題、社会課題の解決が成長につながる
  • 人口の変化

    日本は人口減・高齢化、世界は人口増加

  • ライフスタイルの変化

    加工食品市場はゆるやかに拡大

  • 気候変動の変化

    原材料調達リスク・自然災害リスクの増加

  • 不確実性の高まり

    将来の予測がますます困難に

国内食品事業

2024年度実績 2027年度目標
売上高 648 億円 719 億円
営業利益 66 億円 75 億円
  • 加工食品市場全体より少し高い伸び率を目指す
  • 生産性向上・省人化のための設備投資
  • 家庭用食品:市場創造型商品の開発・育成、既存商品群の活性化
  • 業務用食品:中食・即食市場、人手不足に起因して拡大する新市場への提案強化
  • 加工食品用原料等:①調達不安定な原料の代替機能、生産効率向上、フードロス削減につながる提案強化②健康関連市場への提案強化

国内化成品その他事業

2024年度実績 2027年度目標
売上高 79 億円 97 億円
営業利益 8 億円 9 億円
  • 得意分野に絞り込んだ国内市場の深掘り
  • 海外展開する日系企業への提案強化

海外事業

2024年度実績 2027年度目標
売上高 241 億円 300 億円
営業利益 11 億円 16 億円

セグメント利益調整額の計算方法を変更。2024年度実績は遡及適用した数値

  • スペシャリティ品の市場拡大局面に備え、スピード感を重視した先行投資を行う
  • 基幹工場であるリケビタ・マレーシアに投資額を重点配分
  • 国内部門を巻き込み、新体制を構築
  • 中国で生産ラインを再編し、新工場の早期稼働率拡大に注力

非財務戦略

無形資産の強化:研究開発による価値の創出

無形資産の強化:人的資本

  • 人財のスペシャリティを向上させ、企業価値を高める
    生まれ持った多様性や入社後に習得または伸長した経験・知識・スキルなどを含む個性のこと

ガバナンス強化の取り組み

    • ■ 政策保有株式の縮減

      純資産比率
      (FY2024)19.0% → (FY2027)10%未満
    • ■ 役員報酬制度

      業績連動報酬の指標見直しについて議論を進める
    • ■ グループ・ガバナンス

      グループ会社の内部統制整備と教育・研修の拡充
  • ■ 取締役会の構成

関連資料