ブランドストーリー
「素材力だし®」編

和食とは、四季折々の自然の恵みを大切にした食文化です。旬の素材の味を楽しむ和食と「だし」は切っても切り離せない関係です。
素材力だしは、「化学調味料、食塩を無添加」をコンセプトに、素材が生きる、素材を生かす「だし」として開発されました。
かつお節や板昆布などの、従来のおだしと同じようにお使いいただける商品として、だし本来のおいしさを目指した素材力だし。
プロの料理から、ご家庭での毎日の食卓まで、幅広く支持されています。

01だし本来のおいしさを目指して

「本当によいだしってなんだろう?」

それは1990年代のこと。顆粒だし全盛期のなか、当時、当社のだしの素の主力商品だった『かつおちゃん』は強力な競合を相手に苦戦。今後のだし事業の存続論まで出るような、社内の重い会議の中での一言でした。
「お客さまにとって、本当によいだしってなんだろう」
そんなシンプルな問いに即答できず、悔しい気持ちを抱えた当時の開発者Fさん。
「普段からお客さまのことは考えているつもりでしたが、その場で何も答えることができませんでした。会議は何事もなかったかのように次の話題に進んでいったのですが、私にはとてもショックな出来事で、その瞬間こそが、商品開発のスタートラインであったと思います」と、Fさんは語ってくれました。

「だしは名脇役」
シンプルでおいしいだしを目指そう。

本当によいだしとは、という大きな課題を抱えたFさんは、お客さまやスーパーマーケットのバイヤーさんを訪ね、ひたすらに意見を聞いて回りました。
「スーパーっていうのはさ、旬のものを売りたいんだよね。一番おいしい旬の素材には余計な味付けはいらない」Fさんは、あるバイヤーのこの一言に衝撃を受けました。
そうだ、だしとは本来、料理やおいしさを引きたてるもの。だしが目立つのではなく、だしは名脇役でないといけない。こうして、「シンプルでおいしいだし」というコンセプトが決まりました。

02ゆずれないこだわり

本物のだし、だし汁をターゲットに

シンプルでおいしいだしを目指すために、開発者Fさんは日本中から品質がよいとされるかつお節や昆布、煮干などを集め、だしを取ることからはじめました。産地や製法、部位などで大きく異なる味を確かめながら、自分が目指す素材をひとつずつ見つけていったのです。
ここならば私が目指す素材を一緒に作っていけると思う産地を見つけ、「これまでのだしの素より本物に近い、本当においしい商品をつくりたいんです」と職人一人ひとりに協力のお願いをしました。
何度となく産地に足を運び、生産者とともに作り上げただしの素材。
こうして、素材力だし専用のかつお節や昆布、煮干しができあがりました。

食塩を加えないことで出会えた非加熱の造粒方法

次に解決しないといけない壁は、粉を使いやすい顆粒状に加工する方法でした。
顆粒化では「押し出し造粒」と呼ばれる、湿式造粒方法が一般的です。しかし食塩を含まず、風味原料の多い素材力だしは、この方法ではうまく顆粒化することができなかったのです。

そこで着目したのが、粉に圧力をかけて顆粒化させる『乾式造粒』でした。
「食塩がなくても造粒できる方法ということで見つけた造粒法なのですが、実はもう一つ良い点がありました。乾式造粒では、加熱する乾燥工程が不要なのです。」 だしのおいしさの決め手は「香り」。加工方法を変えることで、製造中の加熱による風味ロスも防ぐことができました。


当時のパッケージ

開封時までおいしいフレッシュスティック包装

さらに、包装にもこだわりました。大袋タイプが主流のだしの素で、あえてスティック包装を採用。遮光性とガスバリア性の高い包材の内部に窒素を封入し、開封するその時まで風味を保持することを可能にしました。この「フレッシュスティック」は、風味がよいことはもちろん、湿気でだしが固まる心配もありません。

03素材力だしのこれから

こだわりの詰まった「素材力だし」を、もっと多くの方にお届けしたい

本当によいおだしとは?から始まった素材力だし。だしの素材から、顆粒化の方法、包装にまでこだわって出来上がりました。発売から20年以上がたちましたが、本当によいだしを届けたいという思いは当時から変わっていません。
もっとたくさんの皆さまに使っていただけるよう、これからも素材力だしの魅力を伝えていきたいと考えています。

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