気候変動の緩和と適応

気候変動の緩和と適応

理研ビタミンでは、企業活動による環境への負荷を考慮し、生産性の向上をはかるとともに、エネルギーの効率的な利用を推進しています。
国内工場では、「照明のLED化」や「放熱抑制によるエネルギーロス削減」といった設備による省エネルギー化のほかにも、「製造方法の変更による設備稼働時間の短縮」といった運用の改善による省エネルギー化や、「冷却水の回収による水使用量削減」といった環境負荷低減の取り組みを行っています。また、各職場での「ECOパトロール」や「ECOステッカー」配布による活動の周知・PRや、使用エネルギーの「見える化」にも取り組んでいます。
オフィス部門においても、会議・資料のペーパーレス化や営業車の見直しを進めています。

GHG(温室効果ガス)排出量削減の中長期目標

理研ビタミンでは、社会や自然との調和をはかりながら事業活動を行うという「環境方針」の基本理念にのっとり、マイルストーンとして2023年度までのGHG削減目標を掲げてきました。一方で、日本においても「2050年カーボンニュートラル」を目指すことが宣言されるなど、サステナブルな社会の実現に向けてこれまで以上の取り組みが求められています。
そのため、サステナビリティ委員会(GHG削減部会)で議論を重ね、理研ビタミングループとして新たな目標を掲げました。

GHG(温室効果ガス)排出量削減の中長期目標

2023年度目標に対する進捗

目標 2021年度実績 進捗
直接的なCO₂排出 2023年度 10%削減 (2015年度対比) 18%削減
間接的なCO₂排出 2023年度 10%削減 (2015年度対比) 28%削減

算定範囲:理研ビタミン単体

  • 直接的なCO₂排出:スコープ1&2
  • 間接的なCO₂排出:スコープ3(カテゴリー1,4,5,12)

エネルギー使用量の推移

※集計範囲:国内5工場+オフィス部門
※原単位分母:販売数量千トン
※CO₂排出係数:電気事業者別排出係数による

理研ビタミン マテリアルフロー(2021年度)

理研ビタミン マテリアルフロー
※集計範囲:国内5工場+オフィス部門、物流部門

再生可能エネルギー

(上)草加工場 (下)天津理研維他食品有限公司:中国
(上)草加工場 (下)天津理研維他食品有限公司:中国

2019年に千葉工場内に開設された「アプリケーション&イノベーションセンター(A&Iセンター)」では、環境負荷を低減し自然環境を未来へつなぐため、太陽光発電システムを導入しています。発電した電力は、エントランスに設置したモニターでリアルタイムに確認でき、A&Iセンターで使われます。

フロン類の漏えい防止

新冷媒を採用した機器を導入(草加工場)
新冷媒を採用した機器を導入(草加工場)

空調や冷凍・冷蔵設備の冷媒として使われているフロン類は、大気中に放出されるとオゾン層の破壊や地球温暖化を引き起こします。理研ビタミンでは、フロン排出抑制法にのっとり、フロン類を使用している設備を定期的に点検し、フロン類の漏えい防止に努めています。また、設備更新の際には、オゾン層を破壊しない代替フロンや、地球温暖化への影響が少ない新冷媒を採用した設備の導入を進めています。

国内事業所の取り組み

オフィス部門の取り組み

コモレ四谷 四谷タワー
コモレ四谷 四谷タワー

2020年8月に、本社・本社別館・プレゼンテーションセンターの3拠点を統合し、移転しました。
新本社では、フリーアドレスを導入し、共有スペースを充実化することで従業員同士のコミュニケーションが活性化できる空間づくりをしています。また、カーシェア・レンタカーや公共交通機関の利用により「営業車ゼロ」を達成しました。
働き方改革の一環としてすすめているペーパーレス化、業務効率化等の取り組みを通して、環境負荷の低減に取り組んでいます。

「ライトダウンキャンペーン」の実施(理研ビタミングループ国内拠点)

ライトダウンエコキャンペーンによる消灯
ライトダウンエコキャンペーンによる消灯

理研ビタミングループの国内拠点では、夏至と七夕の時期の2日間に「ライトダウンキャンペーン」として、屋外・屋内照明の消灯や定時退社によるライトダウンを呼びかけ、CO₂排出量の削減と地球温暖化防止に努めています。

2020年度省エネ大賞 省エネ事例部門「経済産業大臣賞」を受賞(草加工場)

2020年度省エネ大賞 省エネ事例部門「経済産業大臣賞」を受賞(草加工場)

「省エネ大賞」(主催:一般社団法人省エネルギーセンター)では、事業者や事業場などにおいて実施した他者の模範となる優れた省エネの取り組みや、省エネルギー性に優れた製品並びにビジネスモデルを表彰しています。
食品製造においては製品の品質が最重要視されるため、品質に影響を与える工程は省エネ活動の優先順位が低くなり、その結果“聖域”化する傾向がありました。
当社草加工場では継続的に省エネを進めるために、この聖域にメスを入れて品質の維持と省エネの両立を図ることが必要不可欠である、と考えました。これを行うには従来の組織では難しかったことから、組織改革をベースに省エネ活動に取り組みました。
この取り組みが評価され、2020年度省エネ大賞の省エネ事例部門において、最高賞にあたる「経済産業大臣賞」(CGO・企業等分野)を受賞しました。

物流部門の取り組み

シートパレット(理研食品)
シートパレット(理研食品)

物流部門では、船便やJRコンテナを利用したモーダルシフト、トラック輸送の積載効率の向上による環境負荷低減や、シートパレット使用による作業効率化に継続的に取り組んでいます。
具体的なCO₂排出量削減策として、「共同配送」、「小口配送の改善」、「生産場所から地方営業倉庫への直送化」、「幹線輸送の積載効率99%以上」等の取り組みに加え、配車効率向上に繋がる「配送リードタイム延長」の常態化に向けて検討を続けています。今後も物流品質の向上を目指すとともに、環境負荷低減への取り組みを進めます。

海外・関係会社の取り組み

海外・関係会社の取り組み
更新したボイラー(天津理研維他食品有限公司:中国)

理研ビタミングループの海外事業所においても、CO₂排出量の削減をはじめ、環境負荷の低減に努めています。
天津理研維他食品有限公司(理研ビタミンのグループ会社)では、照明をLED化したほか、2018年度、2021年度にはボイラーを更新しNOx排出量をはじめとする環境負荷の低減につながりました。

バイオマスインキの採用

バイオマスインキの採用

理研ビタミンは、2022年2月より家庭用ドレッシングのシュリンクラベルに使用するインキとして、植物由来成分を含む「バイオマスインキ」を採用しています。
バイオマスインキとは、原料となる樹脂の一部を石油由来からバイオマス(再生可能な生物由来の有機資源)に置き換えたものを言い、今回採用したバイオマスインキは、乾燥後のインキ塗膜中に10%以上の植物由来成分を含んでいます。バイオマスインキの使用は、従来の石油由来成分を多く含むインキの使用に比べて製品ライフサイクルにおけるCO₂削減につながり、環境負荷の低減や持続可能な社会の実現に貢献すると期待されています。

ライフサイクルアセスメント(LCA

理研ビタミンでは、環境影響低減に配慮した製品を開発しています。製造、流通、消費者の使用・廃棄といった各段階を通しての、製品の環境への影響を把握するため、ライフサイクルアセスメント(LCA)手法による環境影響の算定を行いました。

ライフサイクルアセスメント(LCA:Life Cycle Assessment)…原材料の製造から廃棄までのライフサイクル全体における環境影響を評価する手法

リケンのノンオイル 青じそ のLCA

リケンのノンオイル 青じそ のLCA

2019年にリニューアルした、リケンのノンオイル シリーズ「青じそ」のLCAを算定しました。
リニューアルでは、軽くなって持ち帰りやすく、落としても割れにくい、ペットボトル容器を採用しました。
リニューアルの結果、ライフサイクルでのCO₂排出量が18%削減されました。

※パッケージ・算定結果はリニューアル当時のもので、現行製品とは異なります

リケンのノンオイル セレクティ® あめ色玉ねぎ のLCA

リケンのノンオイル セレクティ® あめ色玉ねぎ のLCA

2018年にリニューアルした、リケンのノンオイル セレクティ®シリーズ「あめ色玉ねぎ」のLCAを算定しました。
リニューアルでは、軽くなって持ち帰りやすく、落としても割れにくい、ペットボトル容器を採用しました。また、ドレッシング生産設備も刷新し、包材の洗浄、殺菌方法の変更による生産性の向上がはかられています。
リニューアルの結果、ライフサイクルでのCO₂排出量が15%削減されました。

※パッケージ・算定結果はリニューアル当時のもので、現行製品とは異なります