TCFD提言に基づく情報開示
TCFD提言への賛同表明


TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)は、G20の要請により、気候関連の情報開示や気候変動への金融機関の対応を検討するために設立され、2017年に提言をまとめた最終報告書を公表しました。この提言では、企業などに気候変動関連のリスク・機会について「ガバナンス」・「戦略」・「リスクマネジメント」・「指標と目標」の4項目の開示を推奨しています。
理研ビタミングループでは、農産物や水産物を主要な原材料として使用しているため、気候変動への取り組みは当社グループにとって重要な課題のひとつであり、CSR活動の重点テーマ(マテリアリティ)にも「環境配慮」を掲げています。
理研ビタミンは、2022年4月にTCFD提言への賛同を表明するとともに、TCFDコンソーシアムにも参画しました。今後、気候変動が当社グループの事業活動に及ぼす影響について、積極的な情報開示に取り組んでいきます。
ガバナンス

当社グループは、サステナビリティ課題に取り組むため、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。気候変動に関わるリスクと機会、対応策については、サステナビリティ委員会の下部組織であるTCFD部会においてグループ横断的な議論を行い、経営会議での審議を経て取締役会へ年1回以上報告する体制としています。
TCFD部会の構成メンバーは経営企画部・CSR推進部・経理部・生産推進本部・生産統括本部・調達部です。
戦略
当社は植物油脂や海藻など、様々な天然物を原料として、製品を製造・販売しています。
植物油脂関連原料のほとんどは海外から輸入されたものを商社や油脂メーカーから購入し、当社の工場で乳化剤などの製品に加工して、お客さまにお届けしています。
また、海藻関連製品の原料の多くを占める養殖わかめは、養殖期間中の天候や、海水の温度および栄養状態によって生産量が大きく変動します。このため、気候変動は事業の継続性の観点から重要な経営リスクであると認識しています。
2021年度は当社事業のうち、植物油脂を主要原料とし国内外で生産する「改良剤」、および海藻・ドレッシング・スープなど国内で生産する「食品」について、リスクと機会の分析を行いました。これらを合わせた当社連結売上高中の構成比は9割弱です。
2℃シナリオにおける主要なリスクと機会
想定リスク/機会 | 変動要因 | 当社事業への影響 | |
---|---|---|---|
移行リスク | 化石燃料への規制強化 | 炭素税の導入 | 全般的なコストの上昇 |
電気・ガス料金の上昇 | エネルギーコストの上昇、省エネへの投資費用の増加 | ||
バイオ燃料の需要拡大 | 植物油脂の価格上昇 | 調達コストの上昇、代替商品開発コストの発生 | |
機会 | 消費者選好の変化 | エシカル消費の拡大 | 植物由来化成品用改良剤の需要増加 |
4℃シナリオにおける主要なリスクと機会
想定リスク/機会 | 変動要因 | 当社事業への影響 | |
---|---|---|---|
物理リスク 機会 |
気温/海水温の上昇 | 原材料の生産量減少 | 調達コストの上昇、調達先切替コストの発生、代替商品開発コストの発生 |
気候変動に対応した種苗供給による海藻の安定調達 | |||
水調達リスク | 生産拠点の水ストレス悪化 | 原材料調達先の操業停止、自社工場の操業停止による売上高減少 | |
異常気象の激甚化 | 洪水・豪雨の頻度上昇 | サプライチェーンの寸断、自社工場の操業停止による売上高減少 |
リスク管理
当社グループでは、業務執行に関連するリスクの評価、予防および発生時の対処のために、リスク管理委員会を設置しています。特定した気候変動に関わるリスクについても全社のリスクマネジメント体制において管理しています。
指標と目標
2030年度GHG排出量(Scope1+2)2018年度比40%削減