トップメッセージ

トップメッセージ

 理研ビタミングループ の今後の成長を語るうえで、海外事業の成長は欠かせない要素です。これまで国内で築いてきた事業基盤を土台として、海外事業の成長を上せしていくのが当社グループ全体の成長戦略です。その鍵となるのが、国内事業で培ってきた経験や知見の活用です。例えば、食品分野では、国内の多様なニーズに対応してきた 知恵を海外市場で積極的に活用し、それぞれの地域における食生活の豊かさの向上に貢献していきます。

 当社グループには、国内産業の発展に資する研究のために設立された理化学研究所から受け継いだ文化が備わっています。それは、旺盛なチャレンジ精神と自由闊達さ、言い換えれば「野性味」のある企業文化です。これまでの当社グループを見ても、変化を恐れずにチャレンジし、常に進化することを思い描きながら、変革と成長を追求してきたように思います。ただ、近年は慎重な姿勢が目立つようになってきた印象があります。私は社長として、これまで培ってきた野性味、すなわち旺盛なチャレンジ精神と自由闊達な企業文化を再認識し、組織を活性化することに力を注ぎたいと考えています。

 野性味のある企業文化を礎とした、競争優位性の高い技術開発力。そして長い年月をかけて培ってきた、国内および海外のお客さまとの信頼関係。これらが、当社グループにとっての最大の強みであり、競争力の源泉です。仕事に対して常に正直かつ誠実に向き合うことが、長期的な信頼の獲得につながります。それが、企業価値の向上をもたらすものだと思います。こうした価値観を共有し、社員一人ひとりが共感してくれることで、より強い組織づくりにつながると考えています。

 当社グループでは、各事業が多様な業態を相手に、さまざまなビジネスを展開しています。それぞれの事業が独立して動くのではなく、互いに連携し、総合力を発揮することで、価値創造型の商品・サービスを生み出していく。そこに、当社グループならではの競争優位性があると考えています。
そして、付加価値の高い事業活動を支えるのは人財です。当社は2025年1月に、人財方針として「個性を尊重し、高めあうこと」「主体的に考え、行動すること」を定めました。この方針のもと、社員一人ひとりが自らのスペシャリティを発揮し、組織全体が「考える組織」として進化し続けることで、持続的な成長が実現できると考えています。

 社長として、私が最も大切にしたいと考えているのは、現場から真摯に学ぶこと、そして人の声に耳を傾けることです。もちろん、耳を傾ける以前に、誰もが自由に発言できる環境、すなわち心理的安全性が担保された環境を用意することが大前提です。立場や職位とは関係なく、率直な意見や提案が交わされる組織であることは、極めて重要です。この考え方は、海外事業の現場に長く身を置いていた頃から、常に胸のうちにありました。自由闊達な組織の中で、変化を恐れずに挑戦することの大切さを、今なお強く感じています。変化の激しい時代、さまざまなリスクが顕在化する時代が訪れていますが、変化しながら挑戦を繰り返すことこそが、進化を続けるための最大のリスク回避策だと考えています。競争優位性の高い事業を展開し、新たな価値を生み出すことで、企業価値の向上につなげていく。当社グループの今後の成長に、ぜひご期待ください。

理研ビタミン株式会社 

代表取締役社長 

望月敦