リスクマネジメント
理研ビタミンは、事業活動にかかわる潜在的な重大リスクを適切に把握して平時のリスク発生の予防に努めるとともに、経営的危機が発生した場合には当社グループの資産を保全し、業務の有効性、経営の効率性を高めること、当社グループの信頼性を維持することを目的として、リスクマネジメント体制を整備しています。
重要リスクの特定とモニタリング体制
理研ビタミンは、2021年まで、グループの各部署がそれぞれリスクの特定と評価を行うボトムアップ型でのリスクマネジメント活動を行っていましたが、2022年度にトップダウン型の活動に変更しました。これは事業活動にかかわる全社リスクについて定量的、定性的な評価を実施するとともに、各リスクの該当部署を特定し、取締役会への報告を経て、各部署でのマネジメント活動を行うものです。活動に対するモニタリングは、総務担当取締役を委員長とし、当社および関係会社から選出された委員によるリスク管理委員会において行われ、定期的に取締役会に報告される体制としています。
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リスク管理委員会
委 員 長:理研ビタミン総務担当 取締役
事 務 局:総務部
開催回数:3回(2024年度) -
| 主要なリスク | 対応・取り組み | |
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| 市場変動 |
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| 安全性 |
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| 原材料調達 |
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| 為替変動 |
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| 知的財産権 |
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| 情報、管理システム |
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| 自然災害等 |
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| 法的規則 |
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| 海外事業 |
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事業継続計画(BCP)
理研ビタミングループでは、重大な経営的危機が発生した場合においても従業員およびその家族の安全を確保しながら当社グループの事業を適切に継続・運営するため、事業継続計画(BCP)を整備しています。これまでは事業の継続に影響を及ぼす重大な経営的危機として大地震や新型インフル エンザの流行を想定し、有事の際の対応指針などを定めていました。しかし、昨今では気候変動や地政学的要因などにより、経営に影響を及ぼしうるリスクが多様化しています。このような状況を踏まえ、当社は2025年度よりグループ全体におけるBCPの抜本的な見直しに着手しました。今後、外部専門家の支援を受けつつ現状の課題の調査などを行い、より実効性のある危機対策体制の整備を進めます。
メディアトレーニングの実施
理研ビタミングループでは、商品回収や工場火災などの有事の際に、公表の遅れなどによる批判的な報道を招かないため、コンサルティング会社支援のもと2年に1回メディアトレーニングを実施しています。2024年度は、製造現場での爆発事故を想定したシナリオを組み、工場長や製造課長などの管理職層が模擬的な囲み取材と記者会見の対応に取り組みました。トレーニング後はマニュアルの見直しを行い、実際に発生した場合にも各部門が連携し、正確かつ迅速な対応ができる体制を整えています。
知的財産権の保護
理研ビタミングループでは、事業戦略に則って実施された研究開発の成果である技術を守り、商品の価値を向上させるために、質が高く有効な特許、商標の出願と権利化をはじめとする知的財産の保護に努めています。また、当社保有の知的財産権に対して侵害があった場合には、必要な対応策を講じています。今後は営業秘密の保護強化と、特に重要な当社固有の生産技術・ノウハウなどの漏洩防止に努めていくべきであると認識しており、見える形での整備を進めていきます。
理研ビタミンでは、新入社員、開発部門および営業部門に所属する従業員に対して、知的財産権に関する社内規程の説明会や知的財産権制度等の説明会を実施し、知的財産権の意義および制度概要の理解等、知的財産マインドの育成に努めています。
ブランドを保護し、また優れた技術やデザインの創造を奨励するため、特許、実用新案および意匠を対象とした報奨制度を整備しています。出願時および登録時に定額の報奨金を発明者または創作者に支払うほか、特許権の実施が業績に寄与した場合にはその実績に応じた報奨金を発明者に支払っています。
理研ビタミンでは、国内の特許権を219件、商標権を575件保有し(2025年3月末時点)、これらの知的財産権を活用して事業を進めています。
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特許管理委員会
委 員 長:理研ビタミン 法務担当 常務執行役員
事 務 局:法務部
開催回数:3回(2025年度) -
商標管理委員会
委 員 長:理研ビタミン 法務担当 常務執行役員
事 務 局:法務部
開催回数:1回(2025年度)
情報セキュリティの推進
理研ビタミンでは、サイバー攻撃などの脅威から情報資産を保護するため、情報セキュリティの維持・向上を推進しています。
セキュリティ対策機器やソフトウェアを導入し、最新技術を活用して、不正アクセス、情報漏えい、改ざん、紛失・毀損などのリスクを最小化する施策を行っています。サーバーやデータは耐震性の高いデータセンターに保管し、冗長性の高いバックアップシステムを採用しており、データの損失を最小限に抑えるための取り組みを行っています。また、クラウド化を推進することで可用性を高め、リスクの分散を図り、ビジネスの持続性を確保しています。
在宅勤務時のセキュリティ対策も重視し、安全なネットワーク接続の確保や強固なパスワードの利用、機密情報の適切な取り扱いに関するガイドラインを徹底しています。
従業員に対しては、一人ひとりのセキュリティ意識を高め、会社の損失を防ぎ、社会的信頼を保つために、教育プログラムを強化しています。eラーニングによる情報セキュリティ講習や標的型攻撃メール訓練など、継続的なセキュリティ教育をするとともに、情報セキュリティに関する最新情報や注意喚起を社内で共有することにより、従業員全員のセキュリティ意識の向上にも努めています。