サステナビリティへの取り組み

理研ビタミングループは、天然原料の有効活用を事業活動の中心に据えており、「社会に対し、食を通じて健康と豊かな食生活を提供する」ことを経営理念としています。
社会や自然との調和をはかりながら事業活動を行い、環境負荷低減に向けた取り組みを進めていきます。

わかめ養殖の安定化へ

ゆりあげファクトリーの取り組み

わかめの養殖風景

日本における養殖わかめの約7割は岩手県および宮城県の沿岸で生産され、「三陸わかめ」のブランドで知られています。しかし近年、養殖わかめの生産量は減少傾向にあり、2021年度の三陸共販の実績数量は約20,000トンと、過去最も少なくなりました。(東日本大震災の2011年を除く)
東日本大震災以降、理研食品(理研ビタミンのグループ会社)では、わかめ生産性向上のための優良系統の開発や種苗生産の安定化に取り組んできました。

  • 全漁連による共同販売
優良系統を選抜するための浮遊回転式養殖水槽
(CFCS水槽:Circulation and Floating Cultivation System[特許第6024879 号])
わかめ生産性向上のための優良系統の開発
「わかめの苗」ともいえる種苗の優良系統を選抜するために養殖水槽を開発し、それを用いて全国各地のわかめの特性調査と選抜試験を実施し、早生(わせ)や晩生(おくて)の優良系統を確立しました。(文部科学省・東北マリンサイエンス拠点形成事業の一環)
優良系統を活かすための“わかめの苗”ともいえる種苗生産の安定化
パナソニック(株)との共同研究によって、野菜工場の設計で用いられている複数の環境要素を考慮したシミュレーション技術を活用して種苗生産条件の最適化を行いました。
ゆりあげファクトリー外観

これらの研究成果をもとに、2017年7月に「ゆりあげファクトリー」(宮城県名取市)を開設し、わかめ種苗生産を開始しました。
優良種苗の安定生産により、その後の海上におけるわかめ養殖の生産性が向上することが期待できます。2020年度は29,000mを超える種苗糸を出荷し、宮城県南三陸町のほか各地で活用いただきました。

ゆりあげファクトリーのある閖上地区では、宮城県内の仙台以南で初めてのわかめ養殖に生産者の皆さまとともに取り組んでいます。わかめ養殖海域の開拓とともに、その地域での新たな特産品になるよう、皆さまと一緒に取り組んでいます。

また、わかめ養殖では生育初期に枯死する「芽落ち」が生産量減少の原因となっていることから、種苗生産条件の最適化で得た知見を活かして種苗のストレス耐性に関する研究を実施しており、養殖技術改善につながる結果が得られつつあります。
そのほか、「早生種苗」や「晩生種苗」の系統を併用する事で、これまで1回/年だったわかめの養殖を、将来的には2回/年に増やすことも研究しています。

令和2年度(第21回) 民間部門農林水産研究開発功績者表彰「農林水産技術会議会長賞」を受賞(理研食品)

農林水産研究開発功績者表彰 表彰状

農林水産省と公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会では、民間が主体となって行っている農林水産業その他関連産業に関する研究開発で優れた功績をあげたものについて、「民間部門農林水産研究開発功績者表彰」にて表彰しています。
理研食品(理研ビタミンのグループ会社)では、優良系統を選抜するための養殖水槽を開発し、その水槽を用いて国内主要産地のわかめの中から、早生(わせ)や晩生(おくて)の優良系統を確立しました。さらに、この2系統を併用する事で、2回/年のわかめ養殖が可能であることを実証しました。また、複数の環境要素を考慮したシミュレーション技術を活用して種苗生産条件の最適化を行いました。
このことにより、種苗の安定供給が可能となったため、新たなわかめ養殖海域の開拓や生産性の向上や、将来的には漁場拡大による雇用創出および漁村振興への波及効果が期待されます。これらの「ゆりあげファクトリー」における研究成果が評価され、「農林水産技術会議会長賞」を受賞しました。

  • 本研究成果の一部は、理化学研究所仁科加速器科学研究センター阿部知子副センター長、株式会社SiM24兼松宏一開発部長との共同研究によって実施されました。

海藻産業の活性化へ

海藻は、日本で古くから食べられ、健康的な食品として認知されていますが、その生態の研究が進んでいるとは言えず、生産量も減少傾向にあります。理研ビタミングループでは、わかめだけでなくこんぶ、もずくなど、日常的に食べられている海藻の研究も行っており、安定的な生産を通して海藻産業の活性化に貢献していきます。

スジアオノリの陸上養殖に進出

陸前高田ベース

理研ビタミングループでは、ゆりあげファクトリーでの取り組みをはじめ、海藻産業が抱える課題に対して多面的な研究を行ってきました。今後、わかめで培った優良種苗の研究成果を他海藻へ展開していきます。
スジアオノリは、青のりとして販売されている海藻の中でも、香りの強さと色の良さで高級品とされている海藻です。しかし、その生産量はこの10年で2分の1以下まで激減しており、安定的な供給が強く望まれています。理研食品(理研ビタミンのグループ会社)では、ゆりあげファクトリーでの研究成果を応用し、海藻の陸上養殖施設「陸前高田ベース」(岩手県陸前高田市)を開設し、スジアオノリの生産に着手しました。

安全な海藻連合(Safe Seaweed Coalition)

海藻は、世界の食糧生産や気候変動の緩和、生物多様性の保全等に重要な役割を果たしており、持続可能な世界の実現に貢献できるポテンシャルを持つと注目を集めています。
Seaweed Day(2020年6月4日)では、国連グローバルコンパクトとロイドレジスター財団により「The Seaweed Manifesto」が発表され、理研食品(理研ビタミンのグループ会社)の社員が「The food value chains of seaweed」というタイトルで招待講演を行いました。2021年3月には国連グローバルコンパクトとロイドレジスター財団が、フランス国立科学研究センター(CNRS)と共同で「安全な海藻連合(Safe Seaweed Coalition)」を設立し、その運営委員にも理研食品の社員が選出されています。

原料・資材のサステナビリティ

FSC®認証紙の採用

FSC®マークの入った段ボール(「リケンのわかめスープ」)

理研ビタミングループの家庭用市販品に使用する段ボールについて、国際的な森林認証制度であるFSC®認証紙への切り替えを目指しています。これまでに、「リケンのノンオイル セレクティ®」、「リケンのノンオイル」、「リケン サラダデュオ®」、「リケンのわかめスープ」シリーズに採用し、家庭用市販品のドレッシング・スープ(PB商品を除く)の段ボールは、全てFSC®認証紙に切り替わっています。
FSC®マークは、その製品に使われている原材料が責任を持って調達されたことを意味しています。FSC®マークのついた製品を選ぶことで、責任ある森林管理を世界に広げ、森林を大切にすることにつながります。

RSPOへの加盟

アブラヤシ

理研ビタミングループは改良剤事業において、パーム油をはじめとする植物油脂を主な原料として使用しています。
"社会や自然との調和をはかりながら事業活動を行う"という環境方針にのっとり、海外生産拠点であるリケビタ・マレーシアでは2010年にRSPOに加盟し、2012年にサプライチェーン認証を取得いたしました。理研ビタミンにおいては、2016年にRSPOに加盟し、2019年3月に国内の改良剤の主力工場である大阪工場・千葉工場においてRSPOのサプライチェーン認証を取得しています。

RSPO加盟の背景

パーム油はアブラヤシの果実から採れる、世界で最も多く利用されている植物油ですが、その一方で熱帯林の保全や、そこに生息する生物の多様性、森林に依存する人々の暮らしにさまざまな問題が生じています。
RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)は持続可能なパーム油が標準となるよう市場を変革するというビジョンのもとに2004年に設立された非営利組織です。

サステナブルな製品の開発

植物由来成分を主体とした農薬の開発

理化学研究所 有本特別研究室との共同研究により、化成品用改良剤(天然由来の脂肪酸エステル)を主成分とする薬剤に、スギの雄花への着花を抑制する効果があることを確認しました。実用上の薬害もなく、周辺の植生への悪影響も認められなかったことから、春のスギ花粉の飛散量抑制に役立つと期待されます。
当社は今後、理化学研究所と連携して、農薬としての登録を目指します。